2012年07月05日

日本語表現1

感動したこと『ふらふら ふーちゃん』

「ちょっと、あーちゃん。あっかんべーしてみて」かず君が言う。あーちゃんがあ
っかんべーをする。それを見た、かず君、れん君、けんた君が口々に言う。「あー
ちゃんのまぶた白いよ!」「ちゃんと、ぜんぶたべなきゃ、ふらふらしちゃうよ」
「あーちゃん、がんばってたべよ」
 私は、毎週保育園に行っている。これは、給食の時間に好き嫌いがあり、給食を
食べないあーちゃんに、周りの男の子が言った言葉だ。
 私は毎回、紙芝居を4,5冊読ませてもらっている。最初のころは、ひらがなば
かりでとても読みにくかった。自分でも話の内容がつかめないくらい、棒読みの時
もあった。しかし「子どもだし、ちょっとくらい変でも、わからないだろう」と高
をくくっていた。すると、紙芝居を読み終えた後に、「さっきまちがったやろー」
と一人の女の子に言われてしまった。「せんせいだって、まちがうことあるんやけ
ん、そんなこといわんの」と、フォローをしてくれた子どもが何人もいた。その優
しさが嬉しかった反面、悲しかったりもした。
 これを機に、子どもが話に集中できる読み方をしたい、と思うようになった。先
生に、場面にあわせて、抜くスピードを変える、声に変化をつけるなどのアドバイ
スをもらった。子どもが話の後に、内容を口ずさむのは、話に集中していた証拠と
いうことも教えてもらった。子どもの興味を引き付けられるように、家で何回も読
む練習をした。それでも、なかなか口ずさんでくれることはなかった。
 「あー、今日もダメだったか」と紙芝居を読み終え、いつものように内心へこみ
つつ、給食を食べていた。急に、かず君が「ちょっと、あーちゃん。あっかんべー
してみて」と言い、驚いた。これは直前に読んだ、ご飯ときちんと食べないとふら
ふらしてしまうという『ふらふら ふーちゃん』の内容だった。これを聞いたと
き、本当に嬉しくてたまらなかった。これが、私の感動した瞬間だ。

2115098



Posted by 芸短ネット演習 at 21:52│Comments(0)
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