2012年05月11日

私の家族/好きに変わった瞬間

 父、母、弟、妹の5人家族だ。私の家族はよく喧嘩をする。母と父もよく喧嘩するし、3人兄弟でも、よく大ゲンカをする。
 世間では、喧嘩するほど仲が良いと言われるが、私は「それは違うだろう」と、ずっと思っていた。私は、とにかく喧嘩だらけの家を出たくて、仕方がなかった。もうこの際だから、言ってしまうと、あまり家族も好きではなかったし、どうしても家を離れたかった。
 一人になりたかった。だから、志望校もわざと県外を選んだ。もちろん、両親は反対した。だが、私はしつこく「絶対、県外に出る!」と言いつづけた。両親は折れて「九州内ならいいよ」と、何とか了承した。私は家を出られると思うと、嬉しくてたまらなかった。
 しかし、いざ一人暮らしを始めると、最初は楽しみだったはずなのに、両親が故郷に帰った後、私はすぐにホームシックになってしまった。最初は大丈夫だろうと思っていたが、いつも家に帰ると誰かが居たにに、居ないとなると、急に寂しくなってしまった。あれ程、嫌がっていた家族や喧嘩の日々が、今では懐かしく感じた。私は家に帰るたび、毎日泣いていた。そんな自分が嫌で仕方がなかった。
 ある日、今日こそ泣かないと決めていたら、携帯に着信が入った。母からだった。「元気? 大丈夫? ちゃんとご飯食べてる?」。些細なことであったが、その文字を見た瞬間、嬉しくて涙が出てきた。
 家族のもとを離れて、改めて家族の大切さを知った。そして、自分は家族が好きなんだと気付かされた。家を出た理由はどうあれ、家族から離れてみたから、今の私がある。きっと離れなければ、今の気持ちは生まれなかった。
 大学に入学後、ほぼ毎日、電話が掛かってくる。たまに嫌になるときもあるが、やっぱり電話が来ると嬉しい。そして話すたびに、家族の大切さが膨らんでいく。きっと、これからも毎日家族から電話が来る。それが楽しみで仕方がない。



Posted by 芸短ネット演習 at 02:31│Comments(0)
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