2012年05月09日

私の家族/おかあさん

 私はよく、お母さんと喧嘩をする。お母さんから何か言われて、素直に「はい」といったことがほとんどない。お母さんはよく「部屋を片付けなさい」と言ってくる。ちょっと服が散らばっているだけなのに、毎日のように言ってくる。私だって片付けようと思っている。でもやろうとしている時に言われると、やりたくなくなる。友達と遊びに行って帰りが遅くなるときも、「早く帰ってきなさい」といちいち言ってくる。私はお母さんに何かいわれる度、「うるさいなあ、お母さんなんかいらんわ」と思う。お母さんがいなくなっても、だいたいのことはやっていける自信はあったし、そっちのほうが毎日楽しく過ごせると思う。
 しかしある日、お母さんが高熱を出し、2日間寝込んでしまった。その日の夜、ご飯を食べようとしたが、何も用意されていなかった。お母さんは姉に夕ごはんを買って帰るように頼んでいたらしい。しかし、姉は友達と食べてきたから自分はいらない、と言って何も買って来なかった。
 すると、お父さんが怒りだし、姉とお父さんの喧嘩が始まった。姉はすねて自分の部屋に閉じこもり、お父さんはコンビニへお弁当を買いに行った。私は朝のご飯の残りをお茶漬けにして食べた。次の日の朝、みんな顔を合わせても一言もしゃべらず、それぞれ出かけた。いつもは当たり前のように食べていた夕食なのに、たった1日の夕食がないだけで、こんなにも家族がばらばらになるなんて思いもしなかった。
 その時、私はきづいた。ご飯を食べたり、服を着たり、普段当たり前にしていることは、全部お母さんが頑張ってくれているおかげだということを。私が学校に行っている間、テレビを見ている間、お菓子を食べている間、お母さんは家族のために働いてくれていたのだ。
 今でもお母さんとの喧嘩は絶えないが、お母さんが私の家族でいてくれて良かった。お母さん、いつもありがとう。



Posted by 芸短ネット演習 at 02:51│Comments(0)
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