2010年12月07日
12月7日の記事
12月3日、大分県立芸術文化短期大学にて、毎日新聞社の寄付講座「地域社会とマスメディア」の講義が行われた。今回の講師は、大分放送テレビ制作部ディレクター・井上周作さん。OBSといえば、大分県民にとってテレビ御三家と言っていいほどの局である。そんなOBSの裏側を教えてくださるということで、心なしかいつもより興味津々な学生も多かった。
井上さんは高校時代、スポーツ記者になるのが夢で、OBSに入社すると報道部を希望したそうだ。しかし配属されたのはテレビ制作部。OBSテレビ制作部の看板番組といえば、井上さんもディレクターを務める「かぼすタイム」だ。井上さんが何人かの学生に「かぼすタイム」の感想を尋ねると、好意的な意見から辛口な意見まで飛び出し、井上さんにとって会社への多少の手土産になったのではないだろうか。
そんな「かぼすタイム」の看板コーナー「ようこそ!かぼすツアーズ」のビデオを用意してくださっていた。視聴したのは湯布院を取材したVTR(の特別編集版)。このコーナーでは、"季節感"を大切にしているそうだ。レジュメでも唯一そこだけカッコ抜きになっており、かなり重要視していることがわかる。また取材から放送までの流れ、取材時の人数と役割など、かなり具体的に制作の様子を教えてくださった。ワイド番組の取材先の選定は意外と難しく、取材前に実際に現場に足を運び、先方に趣旨をきちんと説明し、理解されて初めて取材が成り立つのだという。ローカルと見くびっている皆さん、ゆめゆめお見落としなきよう。
このようなワイド番組とはまた違うドキュメント番組の例として、「窓をあけて九州」も見せてくださった。内容は、県内一周駅伝に出場した竹田市チームの選手を追いかけたもの。カメラの配置、取材日数などの意外な事実も教えてくださり、映像では収まりきれない制作側の労力と想いを知ることができた。
最後に井上さんは、ディレクターの仕事に興味がある人に向けてメッセージを残した。大切なのはコミュニケーション能力、思いやりの心、多角的な視点、そして感動する心だそうだ。ディレクターという職の人は機械や鬼のように仕事をこなすイメージがあったが、人間的な物腰が多分に必要なのだと感じた。
そして目下の最大の問題は、大分市に住んでいるにも関わらずOBSが映らないうちのテレビである。
2105037 川野 栞(2回目)
Posted by 芸短ネット演習 at 22:54│Comments(0)
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