2010年10月15日

「100行の記事より1枚の写真」

「100行の記事より1枚の写真」10月15日、大分芸術文化短期大学で、毎日新聞写真部の加古信志さんの講演が行われた。

まず、加古さんの自己紹介から始まった。東京から福岡、福岡から東京、東京から名古屋…と入社以降多くの転勤を経験していることを知り、新聞記者は異動多いことが分かった。また、2004年には陸上自衛隊のサマワ派遣の際にカメラマンとして同行したという経験には驚いた

次に、新聞に載せる写真の撮り方について話が移る。「すかし撮り」という撮影方法を教えて頂いた。「すかし撮り」とは、車内にいる人を撮ることで、主に罪を犯した人を車で送検する際に撮るとのこと。車のガラスはスモークが張ってあるため、普通のカメラでは中がまったく撮れないらしく、そのため大きなストロボを使って大きな光(フラッシュ)をたく。そうすることで、車内が鮮明に写るそうだ。

ただ問題点もあり、普通のカメラと違い、連写が出来ないため一瞬が『勝負』であり、相当な腕が無いといいものは撮れないらしい。また、他紙と同じ、もしくは他紙に出し抜かれた写真を撮られてしまったら、会社から叱咤されるとのこと。厳しい世界だと感じる。

次に「実際に撮った写真を」見せて頂いた。オウム事件の麻原受刑者や日本がワールドカップで決勝リーグに上がるきっかけとなったゴールシーンなどの写真があった。

特に印象に残った写真は、ライブドア元社長の堀江氏の写真だ。堀江氏が送検される時の写真だったが、堀江氏に驚いたのではない。私が驚いたのは、堀江氏が載っている車の周りを囲んでいる報道陣の数である。これだけの人たちが一枚の写真を撮ることに一生懸命になっていることが衝撃であった。

話の後半は、撮影用のカメラについての話であった。日本メーカーの「ニコン」と「キャノン」がシェア獲得を競いあっていることを知った。日本のメーカーが頑張っていることを知り、少し嬉しかった。

全体を通して、講演前の宮本さんの「100行の記事より1枚の写真」という言葉の理由が理解できた気がした。

だからこそ、記者の方は一枚一枚を撮る機会を大事に、そして真剣に取り組んでいることが分かった。普段見ることの出来ない世界の裏側を知ることが出来、大変貴重な時間となった。(安部泰記)



Posted by 芸短ネット演習 at 19:24│Comments(0)
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