ここ最近、何もかもが上手くいかない。そう思う原因の一つが就職活動。何社受
けても最終試験で落とされ、滅入っていた。
しかし、誰にも相談出来なかった。同じ大学の友達は、皆自分と同じ状況下で頑
張っていると思うと、言えない。高校時代に仲の良かった友達に相談することも考
えが友達は四年制大学、私は短大。高校三年の時、元担任に笑いながら言われた
「短大で何が出来るの?何も出来ないよ」。が、未だ私の脳裏から離れず、友達も
心のどこかで私のことを見下しているのかもしれない。そう思うと、スマホの通話
ボタンが押せなかった。
でもまあ、元々メンタル面は強いし今回もどうにかなるだろう、と自身を奮い立
てる日々だったが、それも長くは続かず、何もかもを投げ出したくなった時、とて
も仲の良い高校時代の友達から一通のメールが届いた。内容は一言「玄関に置いて
おきます」。だった。時計を見ると時刻は零時過ぎ。彼女はこんな時間に何を持っ
てきたというのだろうか。全く想像ができないまま私は玄関へと向かった。
玄関の外に出てみると、そこには二つの白い袋があった。中を覗いてみると、一
方には、私の大好物の麻婆豆腐、もう一方の袋には飲むゼリーが十個入っていた。
そして手紙が一通。「頑張っていることは知ってる 応援してます」。たったの19
文字。だが、それは私が一番求めている言葉だった。嬉しくて苦しくて、何とも言
えない感動で胸が熱くなった。
部屋に戻り、麻婆豆腐を噛みしめながら、私は独りじゃないのだと思った。同時
に、今までツラいことがあると一人で塞ぎ込んで自己解決をしてきたが、どうにも
ならない問題もあるのだと知った。これからはもっと色々な人に頼ってみようとも
思った。この日を境に、少しだけ、本当に少しだけ自分を変えることが出来た気が
する。
内々定を頂いたら、彼女がくれた飲むゼリーを解禁しようと思っていたのに、や
っぱりもったいなくて実はまだ冷蔵庫に眠ってるまま。いつ飲もうかな。きっと特
に意味もなく飲んじゃうんだろうなぁ。