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芸短ネット演習

2012年07月11日 23:03

課題「感動したこと」

私の友人
「スキーなんか大っ嫌い!!!!」
彼女の大きな声が北海道の真っ白な大地に響いた。そこにいた生徒やこの罵声を浴びせられ
たスキー講師の方はポカーンとした表情のまま固まっていた。
彼女の名前は本人が匿名希望しているため言えないが、高校時代、私の中で最も印象に残っ
ている人物である。
私は全校生徒30人にも満たない中学校を卒業した。私の学年は14人しかいなかったが、一つ
上は4人、一つ下は7人だったので多い方だった。学校には校則を破って怒られる生徒や怖い
先生はいなかった。そんな環境で育ったためか、高校に入学したての頃は中学の全校生徒よ
りも多い40人のクラスや、700人以上で行われる全校朝礼が圧倒的でなかなか慣れなかっ
た。
そんな中、彼女を見つけた。彼女はスカートを短くし、髪を染め、校則を破ってばかりだっ
た。そして、いつも先生に怒られていた。私の彼女に対する第一印象は最悪で「こんな子と
は一生付き合ないだろうな…。」そう思っていた。
 二年生になると同じ教室に彼女がいた。不安だったが何もないまま過ぎた。そして、12月
の修学旅行。北海道でのスキー研修2日目で例の彼女の言葉が響いた。「優しく教えてくれ
る講師にどうして酷い言葉を浴びせたのか。昨日までスキーを楽しんでいたのに…。」私は
疑問でいっぱいだった。後から本人に聞くと、前の日の夜に先生に怒られてイライラしてい
たらしい。
 いつのまにか彼女と仲良くなっていた。今では1番の親友だ。悩みはなんでも相談できる
し、高校時代の愚痴を話し出すと止まらない。北海道での事件も今では笑い話だ。でも、な
んでこんなにも仲が良くなったのか、本当にわからない。思い出せないのだ。私が感動した
ことは彼女と友達になれた事だ。あんなに印象が悪かった人とこんなにも仲が良くなれたの
は本当に信じられない。彼女と一緒にいた事で視野も広がり、多くの友人ができた。感謝し
てるし、これからも本音でぶつかり合える友達でいたい。