12月3日の記事
12月3日、大分県立芸術文化短期大学で『地域社会とマスメディア』の講義が行われた。講師として大分放送テレビ制作局テレビ制作部ディレクターの井上周作さんが招かれ、『テレビの番組はこうして作られる』をテーマに話された。
井上さんは、高校時代からスポーツ記者などメディアに関わる職業に興味を持っていた。現在は、「かぼすタイム」をはじめ、ヒューマンドキュメンタリーなど報道意外の番組制作で活躍されている。ディレクターとは、番組の企画立案、取材、編集、放送までを担う指揮者である。
実際に視聴しながらVTR制作過程を説明してくれた。「かぼすタイム」ではまず、テーマを決める際には、季節感を大切にしているそうだ。次に取材先を決め、スケジュールを立て、取材台本を作る。その後、取材スタッフと打ち合わせし、約6人で取材をする。井上さんは、現地の人との会話を大切にしてるそうだ。また、視聴者が見飽きないようにさまざまな角度から撮るようにするなど工夫をしていた。撮影した素材はパソコンで編集し、テープに書き出す。放送当日の台本を書き、MCと打ち合わせした後、放送されるのである。体験談を交えながら取材ができるまでの大変さを伝えてくれた。ヒューマンドキュメンタリー番組では、「窓をあけて九州」の過去の作品を視聴した。井上さんの中で視聴者に伝えたい気持ちと相手の気持ちを尊重することとの葛藤もあり、何日もかけて取材することもあるという。放送のときのナレーションなどでは、言い回しなどにも気をつけている。
井上さんは、ディレクターという仕事に興味がある人のために今から実践できることを教えてくれた。それは、会話が長続きするように会話を弾ませることと想像力を豊かにするために本を読むことである。そして一番必要なものは、雑学力(知識)と教えてくれた。「コミュニケーション能力と、他人を思いやる心とさまざまな視点から物事を見るのことができる目、感動する心を持とう」と伝えた。井上さんは、この仕事に就き、テロップの出し方や映し方など番組の見方が変わったそうだ。視聴者を惹き付ける工夫を探るなど違う視点から番組を見るのも面白いかもしれない。
2105120 宮崎ありさ